アル・パカ男のADHD学習Vol.010〜好きなことには驚異の集中力を見せる発達障害者。
「興味のあることには異常な程の集中力を見せる」という発達障害者の特性は割と知られていると思いますが、
同時に聞こえてくるのは「なんだ、便利じゃん、いいじゃんソレ」という当事者や定型さんの声。
確かに一紫もこの集中力で一晩でそこそこの知識を得たりと、時として非常に便利な能力なのですが、
それをもたらす発達障害者の「過集中」、ちょっと気をつけておかなくてはならないこともあります。
中学生の時に美術部で提出する絵を描いていて、スタートは朝6時でした。
そして筆を止めたのは夕方6時。
その間、水を飲むことも食事をとることも小休憩をとることもなく、ただひたすらに描き続けました。
12時間描き続けていたのに、1時間も経っていないようなそんな感覚。親の声で我にかえりましたが、全身がピッキピキに硬直していて、首も回せないという…。ちょっと歩けなくなって大変辛かったです。
その時、初めて自分の集中力が悪い方に転ぶこともあるのだと知りました。以来、何事にも「ほどほどに」を心がけています。
仕事中の過集中は割と歓迎なのですが、過集中のスイッチを操作することは難しい。
思いもかけず過集中を起こすこともあれば、ここぞという時には起こらない。ありがたくも憎い、それが過集中です。
発達障害者の過集中とこだわり傾向でとんでもない偉業を残す人もいますが、犠牲にしているものもたくさんあるのではないかなと思います。
ADHDは狩人の脳だと言われていますが、この過集中もそんな「狩人の脳」が引き起こすものなのかもしれません。
最高の獲物を手に入れたい。興味のあるものを追求し、研究し、努力する。
その意識は猟犬みたいなもので、それにふりまわされないように、理性という猟師さんをしっかり意識したいなと思うのです。